クラウド系男子

SAP,Cloud,Iot関連を中心に投稿しています

SAP ERPを絡めたデータ分析の文献について

はじめに

こんにちは。 SAPアドベントカレンダーの投稿が遅れたことをお詫びします。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の注目が高まる中で、データ分析の環境作りに取り組まれるケースが増えていると考えます。 SAPに加えてServiceNowなどのマルチクラウドをデータソースとした場合の環境作りで参考になりそうな文献をリストアップしてみました。 ※著者も勉強中の身なので、考慮漏れがあったらご指摘して貰えると幸いです。

概要

下記の想定システム構成に書いたように、データ分析の環境を作る場合は大まかに以下の観点があると考えます。 それぞれの観点で参考になる文献をご紹介します。

  • 上流システム SAP ERPなどの業務システム(データソース)
  • 蓄積 データ収集してどう蓄積するか
  • 加工と活用 蓄積したデータをどのように加工して活用するか

想定システム構成

この記事での構成はこんな感じでの構成をイメージしています

  • データソース SAP ERP+その他(ServiceNowなど)の業務システム

  • Datalake あらゆるデータを蓄積する低価格で巨大なストレージ

  • DWH/DM

  • BIツール Tableauなどのデータ分析を実際にするツール

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データ分析基盤の構成例

データ蓄積

最近のデータ分析基盤として、あらゆるデータを一元集約する器として Datalake の導入が検討される事が多いと思います。 クラウド・製品ベンダーの文献も参考になりますが、こちらの文献はAWSでの説明がメインではありますが、考え方は他のクラウド・製品にも展開出来ると思います。 Datalake+データ加工を導入する上での考慮点が幅広く書かれているので、入門として良いと考えます。

Datalake

Amazon.co.jp: AWSではじめるデータレイク: クラウドによる統合型データリポジトリ構築入門: 上原 誠, 志村 誠, 下佐粉 昭, 関山 宜孝: 本

SAP ERPのデータ構造

先ずはSAP ERPの伝票フローを抑えておかないと、必要とされるデータがなんなのかを読み解けないと考えます。 入門としてこちらが参考になります。

実際のテーブル名は記載無かったりしますが、概念習得として紹介しました。

図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用 (How-nual図解入門Visual Guide Book) | 村上 均, 渡部 力, 倉持 洋一, 久米 正通, 岡本 一城, 久本 麻美子, 黒子 佳之, 渡真利 潤, 村上 正美, 黒瀬 有美, 池上 裕司 |本 | 通販 | Amazon

データ加工、活用

何の為にどうやって活用するか

私として一番大事に考えて欲しいのが、システム内のデータを何の為にどうやって活用するかという観点です。 目的と手段が入れ替わらないように、なぜやるのかは必ず抑えて欲しいと考えます。

ご紹介した文献はデータを何の為にどうやって生ませて、どう活用するかのフレームワークです。 お堅いところはありますが、データ分析スキルを高めたい方には一読してみて欲しいです。

この本はデータマネジメントのフレームワークがわかりやすく説明されています。

データマネジメント概説書(JDMC版)Ver2.0: ビジネスとITをつなぐ-データマネジメントとは | 一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム『データマネジメントの基礎と価値』研究会 | 工学 | Kindleストア | Amazon

こちらはケーススタディなので読みやすいです。

データマネジメント・ケーススタディ トップダウン編: 『顧客満足度向上のための業務横断データ活用』 | 一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム『データマネジメントの基礎と価値』研究会 |本 | 通販 | Amazon

データ分析基盤を作るのはそれなりの投資にはなるのと、何らかの示唆を示せるものを作る必要があります。 KPI作りを例に考え方が説明されています。

最高の結果を出すKPI実践ノート | 中尾隆一郎 | メンタリング・コーチング | Kindleストア | Amazon

BIツール

Tableau を例にBIレポート、ダッシュボードを作る上での文献です。 PowerBIでももちろん問題ないですが、ビジュアライゼーションの日本語文献ではTableauが多いようですのでご紹介しました。

データビジュアライゼーションの教科書 | 藤 俊久仁, 渡部 良一 |本 | 通販 | Amazon

Tableauによる最強・最速のデータ可視化テクニック ~データ加工からダッシュボード作成まで~ | 松島 七衣 |本 | 通販 | Amazon

DWH/DM

よさげな参考文献がまだ見つからず、 クラウド・製品ベンダーのリファレンスやハンズオン的な動画が良いかなと考えます。 ここは見つかったら更新しますね。

まとめ

いかがでしたか? 全てを抑えていないのでそこは恐縮ではありますが、データ分析だけでも抑える範囲が広いと感じます。 これからますます必要とされるスキルなので日々学んで磨いて行きましょう。

SAP からのクリスマスプレゼント、SAP Cloud Platform が12カ月間無料!( S/4HANA 拡張開発を試せるチャンス)

SAP からクリスマスプレゼントのニュースが出たようです。(少し訂正しました)

SAP パートナーであれば(ここ重要)、SAP Cloud Platform(略:SAP CP) が12カ月間無料の権利を1回だけ得られるようです。

news.sap.com

トライアル環境では出来なかった検証・開発ができるビックチャンスなので、導入を検討してみてはいかがでしょうか? S/4HANA の拡張開発のノウハウを溜めていくきっかけになるとも思います。 ※実際の契約については、SAP PartnerEdge or SAP社の方に確認ください。

ここの文面によると、今までSAP CPを契約していないならば、12カ月間無料。既存ユーザは権利を12ヶ月延長できるようです。

Through this incentive current SAP partners can renew their subscription to the core SAP Cloud Platform for up to 12 months at no charge. New SAP partners can subscribe to one of the options of the core SAP Cloud Platform (this offer excludes members of the open ecosystem). In both cases, SAP partners also have the choice of one additional service (with up to 64 GB) provided by the SAP HANA business data platform for SAP Cloud Platform.

詳しくはここを見てね、とありますが少し内容を追ってみると、新規の契約だと以下のどれかを選べるようです。

sappartneredge.com | welcome

  • 選択肢 a) Neo ①Core + ②Additional
  • 選択肢 b) Cloud Foundry ➂Core + ④Additional

※1 選択肢を訂正しました

※2 私の見立てなので、真偽と詳細はご自身またはパートナーサイトにたどれる方経由でご確認お願いいたします。

既存ユーザについては、無料になるパターンとそうでないのがあるらしいので、SAP社に確認されるのをお勧めします。

以下は Core と Additionalの概要です。

①Core :Neo環境(SAPのデータセンター)
  • Fiori 開発及び実行環境
  • Java実行環境(Tomcat,J2EE)
  • ドキュメント共有サービス(SharePoint互換)
  • ワークフロー(稟議、IoTなどの検証アプリが作れる)
  • モバイルサービス(iOS,AndroidのSAPアプリの開発、管理が出来る)
  • API管理
②Additional:Neo環境(SAPのデータセンター)
  • 64GBメモリ HANAが使えます(HANA 1 SPS12系)
➂Core:Cloud Foundry(AWS or Google Cloud上)
  • Fiori 開発及び実行環境
  • Java実行環境(Tomcat,J2EE) CDSを使った、Fiori画面一発作成の Fiori Elementsが使えると思います(はず)
  • ドキュメント共有サービス(SharePoint互換)
  • ワークフロー(稟議、IoTなどの検証アプリが作れる)
  • モバイルサービス(iOS,AndroidのSAPアプリの開発、管理が出来る)
  • Objectiveストレージ(中身はAWS S3のはず)
  • API管理
④Additional:Cloud Foundry(AWS or Google Cloud上)
  • 組み方に寄りますが、16GB, 32GB, 64GBメモリの HANA が使えます(HANA 2系)

これで、年末年始の宿題は SAP Cloud Platform を学ぶという事になるかも知れないですね。

ご参考までに。

注意点

知人経由の情報によると、申込期限が 12/14(金) or 12/15(土) というのもあるらしく、申し込み・確認はお早めに。

補足

投稿は個人の意見です。所属組織には一切関係ありません。

SAP Cloud Platform 導入時に読むべきドキュメント

自身の備忘録として

SAP Cloud Platform のドキュメントが良い感じで整備されてきて、ビジネスシナリオ集も公開されてきています

Scenarios | SAP Cloud Platform

SAP Cloud Platform の導入時に読んでおいた方がよいドキュメントとしては、 SAP Cloud Platform Planning Guide があります。

www.sap.com

これを使う事で、

  • MultiRegionでのアカウント体系

  • セキュリティ対策(主にSSO周り)

  • SAPサポート窓口

  • 稼働環境のチェックシート

を抑える事ができます。 特にセキュリティ周りはクラウド導入の障壁になるので、抑えておきたいですよね。

SAP Cloud Platform は Docker をサポートしていて、柔軟な基盤構築ができる

この記事を読んでみて、SAP Cloud Platform も AWS Tokyoリージョンでの Cloud Foundry 環境があるので、 Docker はどうなのだろうと?調べてみた。

qiita.com

8/3にSAP社員のブログでIoTサーバのDocker イメージをSAP Cloud Platformに展開させているHowToが出ていた。

How To Deploy a Public MQTT Server in Cloud Foundry using a Docker Image | SAP Blogs

前段の手順でCloud Foundryに展開するための、BuildPack作りは必要ですが、下記コマンド2発で稼働出来る手軽さと、サーバの運用をSAP任せに出来る運用コストは魅力的だと思います。

cf login

cf push <APP_NAME> -m 256M --docker-image radu103/mosca:latest

9月頃に発表される ABAP on SAP Cloud Platform もDocker上で動くかも?なのですが、SAP BASISの運用と展開コストが下がっていくのは歓迎したいですね。

AIの学習データ提供のビジネスが芽吹き初めてきた

シリコンバレーのAIの学習データを提供するスタートアップ(labelbox)が、$3.9Mの資金調達に成功したとのこと。 www.labelbox.com

デモはこちらのブログを見ていただくのがよいと思います。 イメージとしては、クラウド上に画像やテキストデータをアップロードするか、既存データを活用して正解データを登録していくサービスです。 このサービスの特徴は手軽にTensorflow(AI学習のLibrary)へ連携して、学習を進められるという点です。 medium.com

自前で正解データ(教師データ)を作る環境が不要となり、AIの実行環境を作り上げる敷居が下がることに繋がりそうです。

この学習データを提供するサービスですが、日本だとトランスコスモスがビジネスを始めているようです。 www.trans-cosmos.co.jp

AI(ディープラーニング系)では、教師データがAIの精度を決めるのと、巨大企業に教師データを独占されるとAIの寡占化に向かうので、 できるだけ低価格で誰でも使えるサービスになっていって欲しいのが個人的な思いです。 コンサルティングサービスだと、この教師データの選定やAIの精度を高めるのがビジネスになるのかなと思います。

medium.com

この手のビジネスで成功しているのは、地図データで有名なゼンリンと個人的に思います。 いろんな技術を使いながらも地道にデータを集めて、精査して、精度高いデータにしてマネタイズしていますよね。 AIに学ばせるデータが売買される日も近いと思います。

お手頃 IoTキット オブナイズ

夏休みの宿題として、手軽にIoTを学べるキットを発見したので購入しました。

オブナイズというボードです。

https://obniz.io/

 

これの特徴が、

  • クラウド上でコーディングして、そのままこのボードにデプロイ出来る
  • Javascript で動くので、サクッと書いて、サクッと試せる
  • ディスプレイが付いてるので、デバッグしやすい
  • これなら SAP Cloud Platform との連携もやりやすそう

 

という点でして、購入の決め手になりました。

 

Amazonでお手頃価格 6,000円程で買えます。

しかも、想像以上にコンパクトです。

f:id:tomopanda6:20180808010616j:image

 

これならいろいろ組み合わせしやすいですね。

夏休みの宿題は他にもいろいろあるのですが、IoTのコミュニティでの発表までには、何かしらのデモ作りたいなと思います。

 

SAP Cloud Platformのサービス構成の確認方法

「SAP Cloud Platform の HANA DB や Java ServerのTシャツモデルはどこを見れば良いのか?」と悩むときがあったのですが、 AWSの様に Service Descriptionのドキュメントが公開されていました(英語)

辿り方はこちらのリンクから、 https://cloudplatform.sap.com/support/service-description.html

このリンクをクリックすれば、PDFでのService Descriptionにたどり着けます。 f:id:tomopanda6:20180807120726p:plain

HANA DBのバックアップやディザスタリカバリ(災害対策)についても言及されているので、 SAP CP を検討する上で有用なドキュメントになると思います。